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ボクと洋画と海外ドラマ。

全米が湧いたSF超大作ドラマ『ウエストワールド』/A.Iの逆襲、人間とは何者か。

今日、科学そして技術は日々進化を続けている。「人工知能=A.Iに支配されるのは時間の問題かもしれない」と考える人が多いのではないだろうか。そんな不安をもつ人々に映画やドラマの影響は特に大きいのではないだろうか。今回はドラマ『ウエストワールド』を軸に紹介します。

人工知能=A.I vs人類の可能性

そう遠くない近未来において、人工知能=A.Iに人間が滅ぼされるのではないかという壮大なテーマは長年にわたり様々な議論が巻き起こっている。理論物理学者の第一人者のスティーブン・ホーキング博士もその一人だ。

「人工知能は人類を滅亡させる」

人工知能は大きな可能性を秘めている一方で、日々進化を続けている人工知能に対する危惧を訴えているのだ。 そんな人工知能だが様々な映画でこの話題はテーマにされやすい。その代表格はやはり『ターミネーター』シリーズだろう。

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自我を持った人工知能“スカイネット”によって核戦争が引き起こされ、人類VSロボットの死闘が繰り広げられるストーリーだ。

(先日、私も大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)で『ターミネーター2:3D』というアトラクションに行ってきましたが約30年も前の映画なのにも関わらず現在に通じる大きなテーマだと感じました。)

この手の作品のストーリーの主軸は人間をはるかに凌駕するコンピューターが世界を支配するという流れがある。今回紹介する海外ドラマ『ウエストワールド』もテーマとしては同じだろう。

海外ドラマ『ウエストワールド』とは

物語に入る前に…

本作は、1973年に公開の同名の映画『ウエストワールド』に基づいたSFスリラーTVシリーズである。

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この作品は後に大ヒットとなった映画『ジュラシック・パーク』シリーズの原作小説を手がけることになるジョン・マイケル・クライトンの初監督作品にして監督脚本家としての評価を高めることとなった作品だ。そして『ジュラシックパーク』の原作の元になったと考えられている。『ウエストワールド』と『ジュラシックパーク』の共通のテーマについてなんとなく皆さん想像がつくと思うがどちらの作品の話の軸も「人間が人工的に生み出したものが手に負えなくなり逆襲する」ということである。つまり、“園内のアンドロイドたちが人間に復讐をする”ということだ。

そんな映画版を元に『LOST』『フリンジ』で知られるSF映画・ドラマ界の天才J・J・エイブラムズと『ダークナイト』で知られるジョナサン・ノーランを中心にアメリカ最大のケーブルテレビ局HBOで製作に100億円が投じられ今年度エミー賞最有力候補なのが本作『ウエストワールド』なのだ。

舞台

物語の舞台は近未来の体験型テーマパーク「ウエストワールド」。園内は西部劇の世界観を完全に再現しておりそこに住む人々は全員「ホスト」と呼ばれるアンドロイド。容姿は人間との見分けがつかず自意識を持っているが園の管理のままに一人一人の「シナリオ」に基づき暮らしている。「シナリオ」は一定期間をすぎると繰り返され園内はループ状態となっている。

園内のルール

高額な入場料を支払った「ゲスト」は園内で何をしても良いのだ。 つまり、「ホスト」に対し性的な欲求を良からぬ方法で満しても、腹を引き裂いても、射殺したとしても許されるのだ。

なぜ「ホスト」は抵抗しないのかって?それはどのようなことを「ゲスト」にされても(仮に生死に関わることでも)銃で打ち返したりすることは絶対にできないようにプログラミングされているからだ。「ウエストワールド」は何をしても許されるまさしく“地上の楽園”と言うべき場所なのだ。

ストーリーについて

本作ではいくつもの人物のストーリーを並行的に展開する手法が用いられている。

一つ目は何度も実家の牧場を襲撃されるループに陥っていたがついに反撃をしループから外れた牧場娘の「ホスト」ドロレスと運命的に出会った「ゲスト」の青年ウィリアムがアンドロイドと人間という概念を捨て去り恋に落ち旅をするという物語。 二つ目は園に長年居座り続けている名前も明かされない黒服の男が残虐非道に「ホスト」を殺し続けながら園に隠された秘密を探るという物語。

三つ目は娼婦の「ホスト」メイヴがメンテナンス中に目覚めてしまい自分が生きる世界が人間によって作られたものだと確信し園からの脱出を試みるという物語。

四つ目は園の設立者で天才科学者のフォード博士とその部下バーナードによる園の運営の難しさと秘密を描く物語。

この四つの物語が回を重ねるごとに点と点が結びつき線となり最後には園の謎が解き明かされ新たな章が開かれ、人間への逆襲が始まるというところまでがシーズン1のストーリーである。

ウィリアム、ドロレス、バーナードの運命とは? 謎めいている黒服の男の正体そして園に隠された真実とは?

編集後記

壮大な世界と様々な登場人物達が繰り広げる人間ドラマが魅力な今作。 第8話から第10話の3話で謎めいていた登場人物の全てが解き明かされる。 全てがこの3話に組み込まれている。

正直ネタバレありならば五千字あっても書ききれないほど奥深い内容です。SFドラマ好きは絶対に見ておくべき一本だと思います。

やはり最終回で解き明かされる園と登場人物の謎は衝撃的でしたね。「あの人物がまさかそんな…」という展開ばかりでストーリーが完璧。

ウエストワールドのAIを見て、 自分と同じ人間の姿をしているのに、プログラミングされた行動の範囲内でしか行動しないそれもエンドレスというのが悲しい。 あれだけ一緒に行動をして恋をしたのに自分の事を覚えていないという切なさ。自分がこの立場なら辛過ぎる。

この作品では人間に対する「ホスト」の逆襲を描いていると同時に クローン技術とか先日取り上げたSNSに支配された現代人の問題のような “人間とは何を持ってして人間なのか”という現代の問題に切り込んでいるように感じました。 「ウエストワールド」での体験が人間の内なる何かに対して問いかけるそれは園を訪れた青年ウイリアムはどう感じたか。それは人間の愚かさに気づき彼は人生を改めるのです。

人間とは何者か。

壮大なテーマそして結末をどう受け止めるかはあなた次第です。